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医療情報の提供事業

書籍:認知症高齢者への口腔ケア
   ■はじめに
   ■認知症の症状別口腔ケアのアプローチ方法 (1) (2) (3) 

認知症の症状別口腔ケアのアプローチ方法


はじめに

 近年、わが国では、認知症高齢者、在宅高齢者は著しく増加してますが、その介護者の多くは、残念ながら適正な口腔ケアの知識を有していません。そこで、日本口腔ケア学会の協力を得て、介護者への口腔ケアの重要性についての啓蒙、実技の技術移転を通じ、高齢者の死因の上位を占める肺炎の罹患の予防等を通じた高齢者の生活の質の向上(QOL)を目指して本書を企画しました。
  我々は、口腔ケアの専門的知識と技術・質の向上を目指して、その認定業務を日本口腔ケア学会より委託されているわが国唯一の機構であります。この業務の中で認知症高齢者の口腔ケアは、肺炎予防の他に、認知症の進行予防や改善、インフルエンザ罹患予防、認知症予備軍の記憶力低下防止効果等があると考えられており、わが国で今後重要とされる医療費抑制のためにも口腔ケアの普及が先駆的事業と考え、広く家人も含めた介護者に、認知症の一般的な知識を含め口腔ケアを平易に理解していただけるよう、何をどうすればよいのか、行ってはいけないことは何かについて具体的に解説しました。
  適正な口腔ケアがなされることにより、わずかでも認知症の進行予防となり、また、誤嚥、肺炎等の予防によるQOLの向上、生存率の向上が期待されます。

日本医学歯学情報機構事務局長
日本口腔ケア学会常務理事
愛知学院大学教授 夏 目 長 門